「気功心法」の立場からみれば、≪痛みと心理≫は深く関係しています。
「痛みのトラウマ」とは何か?前回はこんなお話をしましたね。
篠塚さんの場合は、病名「第5腰椎分離症」、
典型的な体の痛みからくるトラウマだと私は思った。
腰椎の椎弓の上下関節突起部分が断裂した状態ですが、
野球プレーのすべての動作が腰に負担がかかり痛みが生じるものだった。
通称「ギックリ腰」に似た症状を起こす、やっかいなものです。
疲れがたまるだけでも激痛が襲ってくる、気をつけていても、
痛みが突然やってくるから始末が悪いと、当時の彼は嘆いていた。
初期のころは、痛み止めの注射を打てば一発で治ったが、その注射も効かなくなった。
いいと言われた治療、いろいろうけてみた。
彼は、日本中、いろんなところまで足を運び、いいと言われたものはすべてやったという。
「いい医者がいるよ」と、言われればそこにも行った。
「いい整体師がいるけど・・・」と、言われれば施術もしてもらった。
1時間半くらいかけて、ツメでガリガリ・・・と体中を引っ掻き、
まるでカミソリで切り裂かれているような感じになる治療法も受けてみた。
野球選手生命を脅かす腰の痛み
つまり、彼は野球選手をやめて安静をとればよくなる、そんな状態だった。
しかし、彼はプロの野球選手、やめるわけにはいかない。
野球選手を続けるにはどうすればいいのか? これが問題だった。
気功心法で、「痛みのトラウマ」をコントロールする。
そんな状態の中で、篠塚さんは私の所にやってきたのです。
私にできることは、彼に「気功心法」を教え、自分自身で「痛みのトラウマ」の
≪心のロック≫をはずす、この方法を試してみる、これしかなかったのです。
痛みはトラウマになる。
先ほども言ったように、体は、心とつながっている。
体が痛い思いをすれば、心もこの痛みを体験して強い精神的ストレスを受ける。
体の痛みは24時間継続するわけではない。
でも、心は痛みが忘れられないのですね。
ですから、体の痛みは、ある程度の時間が経過したあとも、
心的障害を引き起こす原因となる可能性は十分にあると、気功心法は想定し、
これを「痛みのトラウマ」と呼んでいる。
そして、その解決方法を探り研究しているのです。
つまり、気功心法で「痛みのトラウマ」をコントロールする、という試みです。
しかし、訪ねてきた彼に、私は一切の治療も施さなかったばかりか、
「オレは即、治してほしいのに・・・」と、焦っていた彼に、6時間にも及ぶ講義をした。
「冗談じゃねぇや」と、彼は心の中で思っていたようですが、
当時の彼の顔に十分にそれが書いてあった(笑)
・・・篠塚和典物語㉔へつづく
「ミスターがくれた19年」 、篠塚和典著、ベースボール・マガジン社発行
P182~189
あんどうよしみ
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