2010年11月19日金曜日

■名打者は人の心をも打つ!-篠塚和典の物語②

プロのスポーツ選手に、体と心の「痛み」はやまない。

スポーツは、人と人のコミュニケーションをとるため、

または自分の健康のため、または趣味として楽しむ分には、最高のものだ。

しかし、それをプロとしてやっていくには、かなり体を痛みつけることになり、

体を過労させてしまい、あらゆる体の痛みや

心の病を招いてしまうことは、言うまでもないでしょう。

プロ野球選手、プロサッカー選手、プロゴルファー、マラソンやボクシング…等々、

みんなもテレビで見ていて知っていると思うが、

彼たちは日々酷な技術の鍛錬が課せられケガは免れないのです。

一般の方なら、ケガすれば休めばよくなっていく。しかし、彼たちはそうは行かないのです。

一つのケガが持つ痛みがまだ治まらないうちに、さらなるケガの痛みが重なっていく。

それでは治る時がないというのです。しかし、これが彼たちの宿命というものなのかもしれない。


何が悲しくてそんなつらいことをするの?

テレビや雑誌では、彼たちの華やかな姿が映っている、しかし、

傍で見るほど彼たちは華やかな姿だけではないのだ。

「そのぐらいのことなら、誰でも知ってるよ」と、あなたは言うかもしれない。

いいえ、頭でそうわかっていても、現場を見ないとわからないと思う。

そのもう一方で≪奮闘する体と葛藤する心≫の凄まじい光景は

本当に普通の心境では見ていられない。

そのつらさや苦しみは、ご本人やご家族、

その周りのお世話係りの者にしかわからないものがある。

ウォーキングしかやらない私には、何が悲しくて

そんなつらいことをやるのかな、と思ってしまうのです。


篠塚和典は、プロの精神(心)、スポーツの魂を教えてくれた。

しかし、プロというものの、プロの精神、スポーツの魂、その根性を私に教えてくれたのが、

紛れもなく、篠塚和典というプロ野球の名打者だ!


彼の持病である「脊椎分離症」の腰痛を治すために、私は彼に「気功心法」を教えた。

彼は、見事に短期間で「痛み」を克服して復帰し、その直後に劇的な歴史に残すような、

さようならホームランを打った。

その日、日本列島は、昼は皇太子ご成婚のパレードにわき、

夜は彼のこれぞプロとうならせてしまうさようならホームランでわいた。


テレビでは、そんな華やかな彼の姿が映っていたでしょう。

しかし、私には彼のそれまでの、もがくような体の痛みと凄まじい心との戦いを知っていた。


「気功心法」は、痛みを克服し、精神力を高める技。

「気功心法」の気功とは、パフォーマンスのような気功ではない、大変地味な「医療気功」です。

だから、体の「痛み」には効果的だったのかもしれない。

しかし、おさまった痛みは、おとなしくして、しばらく休みをとって療養しなければ、

すぐにまた「痛み」が出てくるものです。

ご存じのように、現役のプロ選手には、ケガをゆっくり

のんびりと療養して休む時間がないのです。

それならば、「心法」で精神力を高めていって、「痛み」を自分でコントロールし、

超越するしかないのです。


そう言っても、「心法」は、心のメンタルケアなので、気功法と違って、

目に見えるような動作の鍛錬方法ではない。

だから「心法」というものは、なかなかそううまく相手に伝えられないものですし、その上、

自分で養生して自分でケアをしていく、自分でコントロールできるようになるまでには、

それなりの時間がかかる。


しかし、彼は、さりげな私のそんな心配を吹っ飛ばしてくれた。

私は、あきれるほど彼のプロ精神に「感動」した。


そういうわけで、彼がいかに、「名打者は人の心をも打つ!」者であると、私は言ったわけなんです。


あんどうよしみ

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